入院リハビリテーション

入院リハビリテーション

INPATIENT REHABILITATION

リハビリプログラム

REHABILITATION PROGRAMS

生活機能回復リハビリテーションプログラムモデル:自宅退院モデル、地域活動退院モデル、職場復帰モデルの3つのモデル
1)早期より入院時訪問指導実施し自宅の環境に合わせたリハプログラム立案・実施

入院後可及的速やかに家屋調査を行い、物理的環境因子(段差、手すり等)および人的・社会的環境因子(介護力、家族の意向等)を評価します。これにより、退院後の生活を具体的に予測し、個別性の高いリハビリテーション計画を立案します。

2)自宅の環境に合わせた生活機能回復練習

おうち訪問で得た情報に基づき、院内で家屋環境を模した実践的な日常生活動作(ADL)練習を行います。これは、獲得した能力が実際の家屋環境で応用されるための重要なステップです。

3)実際の自宅での訪問練習

院内で獲得した能力が、実際の家屋という予測不能な要素を含む環境で遂行可能かを検証します。この段階で課題(例:特定の家具の配置による動線の問題)を抽出し、解決策を本人・家族と共に検討します。

4)退院前訪問指導

住宅改修や福祉用具の適合性を最終確認し、家族への介助方法の指導(家族指導)を徹底します。これにより、退院直後の混乱や不安を最小限に抑え、円滑で持続可能な在宅療養への移行を支援します。

1)早期より入院時訪問指導実施。自宅の環境に合わせたリハビリテーション実施

対象者の身体・認知機能評価と並行し、入院後速やかに家屋調査を含む訪問指導を実施する。これにより、物理的な住環境や人的・社会資源といった「環境因子」を早期に把握し、対象者・家族の希望に基づいた現実的な退院目標を設定します。

2)家屋環境に即した生活機能回復練習実施

個別の家屋環境をリハビリテーション室や病棟生活で可能な限り再現し、実践的な日常生活動作訓練を行う。これにより、獲得した能力が実生活の場で応用・般化されることを目指します。

3)元々の地域活動を参考に積極的に屋外練習実施

家屋内の生活動作が安定した段階で、リハビリの場を院外へと展開する。これは、対象者が退院後に望む地域活動(例:散歩、買い物、通院、趣味活動など)を具体的に想定し、そこに至るまでの移動能力や環境適応能力を養う、社会参加に向けた極めて重要な段階です。

4)退院前訪問指導と実践的IADL練習

最終段階として、退院前訪問指導による最終的な家屋環境調整と、屋外練習を積極的に実施し買い物や公共交通機関の利用といった、より複雑な手段的日常生活動作訓練を反復し、対象者が地域社会で自立した生活を営むための総合的な能力を獲得できるよう支援します。

1)入院早期より復職リハビリテーションプログラム立案

入院初期の段階で、医師・薬剤師・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・相談員・看護師等が連携し、対象者の身体機能・高次脳機能評価に加え、職業歴や業務内容の聴取を実施します。必要に応じて主治医や企業担当者、産業医とも情報を共有し、現実的かつ具体的な目標を含んだ復職支援計画を立案します。

2)院内日常生活動作自立と模擬復職練習

まずは院内でADL自立を基盤とし、復職に必要となる基礎的な身体機能・認知機能の向上を図ります。さらに、病棟内やリハビリテーション室において、机上作業、パソコン入力、軽作業、電話応対といった職業関連活動の模擬練習を実施。対象者の課題を抽出し、能力の向上を目指します。

3)実環境における実践的復職練習

対象者の能力向上と安定が認められた段階で、実際の職場環境における実践的復職練習へと移行します。通勤を想定した公共交通機関の利用練習などが含まれます。専門職員は環境評価や動作分析を行い、物理的障壁の除去や代償手段の獲得、職務内容の調整などを支援します。

4)退院後の職場復帰調整

最終段階として、本格的な職場復帰を迎えます。当院の役割はここで終わるのではなく、復職後の定着支援も視野に入れています。対象者が職場でさらに能力を発揮し、職業生活を再構築していけるよう、必要に応じた経過観察の体制を整えています。

リハビリテーション

REHABILITATION TRAINING

屋外歩行練習

屋外歩行練習の様子:屋外歩行、休憩と水分補給、エスカレーター昇り、階段降りの練習
  • 歩道の傾斜や細かな凹凸に対応しながらバランスを保つ
  • 前方から来る歩行者や自転車と安全にすれ違う
  • 駐車場の出入り口などで、歩道の縁石をまたぐ、または昇り降りする
  • 青信号に変わった後、「右・左・右」の安全確認を行ってから歩き始める
  • 点滅信号に変わる前に、焦らず一定のペースで渡りきる
  • 信号のない横断歩道で、左右から来る車が途切れるタイミングを見計らって渡る
  • 手すりをしっかりと掴み、タイミングを合わせて片足ずつステップに乗る
  • 降り口が近づいたら、降りる準備をし、つまずかないようにスムーズに踏み出す
  • 電車が通過し、遮断機が完全に上がってから、左右の安全を確認して渡り始める
  • 線路のレールに足を取られたり、砂利で滑ったりしないよう、足元に注意を払いながら歩く
  • 緩やかな坂道で、歩幅を小さくして上る練習を行う
  • 下り坂では、膝を軽く曲げ、重心をやや後ろに保ちながらゆっくりと歩く
  • 杖を使用する場合、坂を上る際は健側から、下る際は杖から先に出すなどの操作を練習する
  • 病院近くの公園などで、芝生の上を歩く
  • 砂利道の上を、一歩一歩確かめるようにゆっくりと歩く
  • 木の根や石などの小さな障害物を、またいだり避けたりしながら歩行する
  • 歩道の傾斜で、まっすぐ進むための操作(左右の駆動力調整)を行う
  • 段差や溝を乗り越えるためのキャスター上げ(ウィリー)を練習する
  • 坂道を安全に上り下りする(上りは前向き、急な下りは後ろ向きなど)
  • 実際に小雨の中で傘をさして歩く
  • 片手で傘を開いたり閉じたりする動作を練習する

生活機能回復練習

基本動作練習の様子:寝返り、起き上がり、立ち上がり、立位保持の練習
歩行練習の様子:屋内歩行、平行棒でのバランス確認、階段練習、休憩
トイレ練習の様子:トイレ移動、便座への移乗、排泄動作のサポート、立ち上がり

自宅訪問練習

自宅訪問練習の様子:階段昇降、調理動作、入浴動作、立ち上がり動作の練習
  • 病院で練習した動作(歩行、トイレ、入浴)が自宅の環境で通用するかの検証
  • 玄関の段差、敷居、畳など、実際の住環境への適応能力の評価
  • 自宅で過ごすことでの疲労度や体力の確認
  • 段差や通路の幅などの物理的障壁(バリア)の発見
  • 手すりの設置場所や住宅改修の必要性の具体的判断
  • 福祉用具(ポータブルトイレ等)が実際に設置可能か、使いやすいかの確認
  • 安全な動線を確保するための家具配置の検討
  • 自宅の段差や浴室など、実際の場面での安全な介助方法の指導
  • ご家族の介助負担がどの程度になるかの具体的把握
  • 「家で介護できるか」というご家族の不安を軽減し、自信につなげる
  • 自宅に戻ることで生じる安心感や、逆に焦りなどの心理状態の確認
  • 物の配置を覚えているかなど、実際の生活場面での認知機能の評価
  • 家庭内での「役割」を再認識するきっかけ作り
  • 自宅で判明した課題を、退院までのリハビリの最優先目標に設定
  • 患者さん・ご家族と、より現実的で具体的な退院後の目標を共有
  • 訪問結果を基に、退院後のサービス(訪問リハビリ等)の必要性を検討

買い物練習

買い物練習の様子:スーパーへの入店、商品選択、レジでの支払い、退店の練習
  • 模擬紙幣や硬貨を使い、指定された金額を財布から素早く出す
  • お釣りの金額が合っているかを確認する
  • 重い物(牛乳など)を下に、軽い物(パンなど)を上に入れる
  • 卵など壊れやすい物を、潰れない場所に配置する
  • 限られたスペースのエコバッグに、商品を効率よく収める
  • カートを押したり、カゴを持ったりしながら安定して歩く
  • 他の客や商品棚にぶつからないように、方向転換や回避を行う
  • 店内の案内表示を見ながら、目的の売り場まで移動する
  • 買い物リストに書かれた商品を、棚から見つけ出す
  • 2つの商品の値段と内容量を見比べ、どちらがお得かを判断する
  • 1kg〜5kgなど、様々な重さの荷物を持ってバランスを崩さずに歩く
  • 身体への負担が少ない持ち方(両手で均等に持つなど)を試す
  • 荷物を持ったまま、ドアの開閉や鍵の操作を行う
  • 店員役に「〇〇はどこにありますか?」と質問する
  • レジでの「ポイントカードはお持ちですか?」といった問いに、適切に返答する
  • 商品パッケージの裏にある原材料名やアレルギー表示を読む
  • 店内の「お手洗い」「レジ」といった案内表示を見つけ、その意味を理解する
  • 買い物カゴの中にある商品の合計金額を、電卓や暗算でおおよそ計算する
  • 騒がしい店内放送が流れる中で、買い物リストの品物を探し続ける
  • 商品を選んでいる最中も、周囲(背後から来る人やカート)に意識を向ける
  • 歩きながら商品を探すなど、複数の作業を同時に安全に行う

公共交通機関練習

公共交通機関練習の様子:階段練習、電車への乗り込み、車内移動と着座、降車の練習
  • 券売機での切符の購入やICカードの利用ができる
  • 改札をスムーズに通過できる
  • 電車やバスの乗降口の段差や隙間を安全にクリアできる
  • 車内での適切な場所の確保と、揺れに対するバランス保持ができる
  • 降車ボタンを押す、乗り過ごしを防ぐなどの適切な行動がとれる
  • 駅やバスターミナルの案内表示を理解し、乗り換え経路を把握できる
  • 限られた時間内に、適切なプラットフォームやバス停へ移動できる
  • 乗り換えに必要な移動距離を、安全なペースで歩ききれる体力をつける
  • 信号の色を正しく認識し、その意味に従って行動できる
  • 横断前に左右の安全確認を確実に行える
  • 青信号が点滅し始めた際の適切な判断ができる
  • 横断歩道を渡りきれるだけの歩行速度(目安:秒速1メートル)と持久力を身につける
  • 他者との接触を避けながら、安全な進路を判断して歩ける
  • 周囲の人の動きを予測し、急な方向転換や停止に対応できる
  • 人混みに対する不安や恐怖心を克服する

家事動作練習

家事動作練習の様子:洗濯、洗濯干し、掃除機、皿洗いの練習
  • シンクの前に立ち、10〜15分間作業を継続する
  • 食器を片手で支えながらもう片方の手で洗う
  • 洗った食器を、水切りカゴの適切な場所に整理して置く
  • リハビリ室の広い範囲で掃除機をかける
  • 椅子や机などの障害物を避けながら、隅々まで掃除する
  • 電源コードが足に絡まらないように、コードの位置を管理しながら作業する
  • 机や窓など、広い平面を均等な力で拭き上げる
  • しゃがんだ姿勢で、床や棚の下段を拭く
  • 背伸びをしたり、台を使ったりして、棚の上段など高い場所を拭く
  • 洗濯カゴを持ち、ベランダ(や模擬的な物干し場)まで運ぶ
  • 洗濯バサミをつまみ、衣類を固定する
  • ハンガーに衣類をかけ、それを物干し竿にかける
  • 柄の長いブラシを使い、便器の内部をこする
  • しゃがんだ姿勢で、便器の周りの床を拭く
  • 浴槽をまたぎ、中に入って内壁をこする練習を行う
  • 柄の長いブラシを使い、浴槽の底や壁を立ったまま洗う
  • シャワーを操作し、洗剤を洗い流す

調理練習

調理練習の様子:下準備、包丁操作、火の使用、盛り付けの練習
  • スーパーのチラシを見ながら、予算や時間などの条件に合わせて献立を考える
  • 栄養士と連携し、塩分やカロリー制限を考慮した献立作成に挑戦する
  • 決めた献立に必要な食材を、漏れなくリストアップする(買い物リスト作成)
  • 「ご飯が炊きあがる30分で、他2品を完成させる」など、時間制限のある課題に取り組む
  • 作業を始める前に、「まず何をして、次に何をするか」を口頭で説明する
  • 鍋が焦げ付かないか、吹きこぼれないかなど、コンロの火加減を見守り続ける
  • レシピ通りに調味料を正確に計量する
  • 汁物を煮込みながら、隣のコンロで炒め物をするなど、2つ以上の作業を同時に行う
  • きゅうりの輪切り、人参の短冊切り、玉ねぎのみじん切りなど、様々な切り方に挑戦する
  • 必要に応じて、滑り止めマットや釘付きまな板などの自助具を活用する
  • 豆腐など柔らかい食材から始め、徐々にカボチャなど硬い食材へ難易度を上げる
  • コンロのスイッチを入れ、鍋でお湯を沸かす
  • タイマーを使い、指定された時間(例:10分間)煮込む
  • 煮込んでいる最中に、アクを取り除いたり、調味料を加えたりする
  • 軽量のフライパンを使い、食材(模擬品でも可)をあおる
  • ヘラや菜箸を使い、食材を均一に混ぜながら炒める
  • 指示に合わせて、コンロの火力を「弱火」「中火」「強火」に変更する
  • 大皿の料理を、複数の小鉢へ均等に分ける
  • 箸やトングを使い、形を保ったまま皿に移す

通勤練習

通勤練習の様子:駅のホームでの安全確認、電車の乗り降り、車内での立ち姿勢保持、目的地の駅での階段降下

実際の通勤ルートを使用して、公共交通機関の利用や駅構内の移動など、復職に必要な移動能力を養います。

復職練習

基本動作練習の様子:寝返り、起き上がり、立ち上がり、立位保持の練習職場復帰モデル:入院時訪問指導、院内日常生活自立、自宅の職場で復職練習、退院後職場復帰の流れ
  • 通勤も含めた1日の総合的な耐久性を実測する
  • 実際の業務スピードやプレッシャーの下で、遂行能力を最終確認する
  • 本人が「できること」を再認識し、復職への自信を得る
  • デスクの高さや通路の幅など、図面では不明な物理的環境との適合性を確認する
  • 職場の騒音や人の動きなど、実際の感覚情報に心身を再順応させる
  • 計画した合理的配慮(支援機器、業務内容の調整)が、現場で本当に有効か検証する
  • 実際に試した結果を基に、休憩の取り方などをより現実的な内容に調整する
  • 本人の「仕事についていけるか」などの不安を、実際の体験を通じて軽減する
  • 職場側が本人の能力と必要な手助けを具体的に理解し、受け入れ体制を整える
  • 本人・職場・病院が共通認識を持ち、円滑な復職への合意を形成する
  • 練習結果に基づき、具体的な段階的復職スケジュール(時短勤務の時間や日数)を確定する
  • 職場での相談相手や定期面談など、具体的なサポート体制を最終決定する