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院長のひとりごち 房総半島群発地震

今年元日に生じた能登半島の地震では、多くの方が亡くなられた。建物が崩壊し、今でも避難所で生活されている方も多いという。M7.4という巨大地震を引き起こしたのは、活断層が動いたため。確かにそのとおりだが、私はそれは結果に過ぎないと考えている。活断層を引き起こした巨大な力はどこからきているのか?おそらく、日本中の地盤に強い応力がかかり続け、ひずみが溜まっているのだが、一言でいうと、東日本は太平洋プレート、西日本はフィリピン海プレートの動きが原因であろう。フォッサマグナというのは、2つのプレート間にできた地溝帯であり、能登半島はそのフォッサマグナ境界に位置している。

実は日本は世界でも非常に稀な地形であり、4つのプレートが互いに交差する上直上に私たちは住んでいる。特記すべきことは、3重点(Triple Junction Point)と呼ばれる3つのプレートが交錯する場所が2か所もあるのだ。その一つが、房総半島沖、もうひとつは富士山直下にあるという事実は意外と知られていない。千葉県はまさにその2つの3重点に間に位置しており、各プレートからの力をもろに受けやすい。

そのことを勘案すると、現在房総半島沖で発生しているスロースリップによる群発地震は、やはり只事ではない。フィリピン海プレート内では巨大な地震や大規模火山噴火が頻発しており、活動期にあるのは事実だ。うまく、この巨大な応力をうまく「スリップ」してくれれば、特に何も起こらないが、この応力が固着帯で「ストップ」してしまうことになれば、未曽有の大災害はもはや避けられないだろう。

参考; フォッサマグナ 日本列島を分断する巨大地溝の正体 著:藤岡 換太郎 https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000313392

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